アイコンセットを作っていて40個目に差しかかる頃、一貫性が崩れ始めます。

崩れるのは形ではありません。線の太さ、角丸の半径、線端の形、グリッドへの揃え、見た目の重さといった、1つだけ見ればまったく問題のない数値です。

目が当てにならない理由

こうしたずれは、1枚ずつ見ればどれも許容範囲に収まっているからです。

線の太さが1.75と2、角丸が1と1.5、パスの終点が12ではなく12.03。一つひとつを取り出しても、おかしくは見えません。全部を並べてはじめて「このセットは少し締まりがない」と感じますが、その時点ではどれが原因なのかを指し示すのが難しくなっています。

それに、40個目に差しかかる頃には、もう何百回もそれらを見ています。

測れるものは、目で見ない

いまの私たちのアイコン検収はプログラムで、見るのは次の3点です。

  • 幾何:線の太さ、角丸、線端、グリッドへの揃え。すべてが規定の離散値に収まっているか
  • 純度:図形がすべて既存のアイコンライブラリから来ているか。その場での手描きは認めない
  • 縮小への耐性:最小サイズまで縮めたとき、細部がつぶれていないか

通らなければ、ライブラリには入れません。

目に残しておくのは、別の仕事

プログラムには「このメタファーは合っているか」「この1枚とあの1枚は同じことを言っているか」「小さくしても何かわかるか」は判断できません。

⭐ 測れるものをプログラムに渡すことで、目は本当に判断が必要な半分に集中できます。アイコンで人が見るべきなのは、もともと線の太さではありません。