生成モデルでビジュアル素材をひとそろい作るとき、いちばんよくある失敗は、1枚ごとにプロンプトを丁寧に書き直すやり方です。

どれだけうまく書いても、1枚と1枚の間でぶれていきます。同じことを毎回あらためて説明していれば、言葉が毎回同じになるはずがありません。

実際に効いた2つのこと

1つ目は、スタイルの部分を固定することです。光、色調、質感、コントラスト、レンズの感じをひとまとまりの文章にして、全部の画像で同じものを一字も変えずに使います。1枚ごとに書き直すのは、被写体の1文だけです。

2つ目は、参考画像を使うことです。カラーパレットとすでに確定した素材を、そのまま入力として渡します。色を言葉で説明するのはやめました。言葉で色を伝える部分が、工程全体でいちばん不安定です。

この2つを変えてから、「毎回違う」が「ときどき1枚捨てる」くらいになりました。

繰り返すべきは光の性質

最初の版では、光のルールをかなり具体的に書いていました。すると数十枚のうち半分が、同じライティングになりました。

並べてみると、ひとそろいの素材というより、同じフィルターを数十回かけたものに見えます。

そこでルールを2層に分けました。光の性質は固定します。冷たく、暗めで、何かに当たっているとわかること。光がどこから来るかは1枚ごとに替えます。隙間から漏れる、壁に落ちる、すりガラスのような素材を抜ける、金属に映り込む、といった具合です。

セット全体の印象を支えているのは、今も繰り返しです。繰り返すものを変えただけです。

生成しないもの

チームや顧客として人の顔は生成しません。実際の事例として画面のスクリーンショットを生成することもしません。

生成した画像が受け持つのは、空気感と質感だけです。何かを証明するときは本物を使います。生成だと見抜かれた「顧客事例」が1枚あれば、その隣に並んでいる本物の実績まで一緒に疑われます。